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POKO blog

飾り職人・ジュエリークラフトマンによる彫金と趣味と変な日記。

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彫金用のヤニを作ってみる。
この前の連休は、地元神社でお祭りでした。




ええ、設営準備したりフランクフルト売ってる側でした。

そういうのもなかなか楽しい♪



さて、

彫金の時に品物を固定する為に使うヤニが少なくなってきたので、

作ってみたっす。


「そういえば以前、名人さんに教えてもらった配合がある。」と

思い出してテキストを引っ張り出して準備!



♪~ トゥルットゥットゥットゥ♪~ トゥルットゥットゥットゥ♪~
♪~ トゥルットゥットゥットゥ♪~ トゥルットゥットゥットゥ♪~
(3分クッキング的音楽♪)(3分じゃ終わらないけど笑)


ってことで、まず今回作るヤニについてですが、

彫り用のヤニを作ります。
打ち出しなどをする彫金のヤニとは別物です。

彫り用のヤニは、
水っぽくサラ~っとしていて、短時間でカチっと固まります。

打ち出し用のヤニは、
ネバリが強く、なかなか固まりません。すぐ固まってしまうと、
叩いた時にヤニが割れて使い辛いです。

目的によってヤニも違うワケですね~
つまり配合が変わってくるワケです!

んでは、

今回用意するモノ。

松ヤニ:1kg 焼セッコウ:1.1kg位 サラダ油:20g 松煙:少々
(名人さんのトコはゴマ油らしいのですが家になかったので^^;)

彫り用のヤニの配合分量です。
ちなみに打ち出し用のヤニの場合は、

松ヤニ:1kg 焼セッコウ:0.7kg位 サラダ油:20g 松煙:少々
だそうです。

ちなみにちなみに、日本に昔から伝わっている分量は、

松ヤニ:3.4kg 地の粉:4.4kg ゴマ油:250cc 松煙:少々
だそうです。


で、
それぞれの材料をちと解説すると、

・松ヤニ・
松ヤニには和脂と洋脂の2種類のタイプがあります。
和脂はネバリが強く、打ち出し用向きで、
洋脂はアッサリしていて、彫り用向きです。
今や日本製は手に入りにくく、中国製、米国製が主のようです。
他にも品質など細かくあるようですが、詳しくは工具屋さんに聞いてくだされ(笑

・焼セッコウ、地の粉・
伝統彫金のヤニというと、地の粉を使うのになぜ焼セッコウなのか?
品物をヤニから外す時に地の粉はカスが残って焼き付いたようになるので、
焼セッコウを使います。
焼セッコウで作ったヤニの方が固まった時にやや硬い感じです。
この焼セッコウの分量でヤニのネバリ具合や固まり易さなど調整しています。
焼セッコウは薬局などで取り寄せ出来ます。

・サラダ油、ゴマ油・
少しの油をヤニに混ぜることで、滑らかになり割れにくくなったりします。
植物油ならだいたいイイようです。
量を入れ過ぎるとべちゃべちゃになって使い物にならなくなるので、
ちゃんと分量を量りましょう~(昔、容器からドボンと入れて失敗したことがある笑)

・松煙・
品物や彫り粉が良く見えるようにヤニを黒く色付けする為の煤です。
焼セッコウを使う場合は特にスゴイ色になるので必須です。


ってな感じで、

ヤニを作っていきまっしょ~!




本当は少しづつ松ヤニを入れた方がいいんですけど^^;

焦がさないように(煙が出ないように)弱火でゆっくりと
塊がなくなるまで溶かしていきます。

深さのあるフライパンで作ってますが、もっとたくさん作る時は
鉄鍋、中華鍋とかがいいでしょ~

で、全部溶けたら、



焼セッコウを少量づつ混ぜながら加えていきます。



量が倍以上になるので多少火力調整しながら
しっかりと混ぜ混ぜします。

で、

よく混ざったら、松煙も混ぜて黒くして、
黒くなったら一度火を止めます。



火を止めたら静かに棒でグルグルと回します。
この時にヤニの中に入った空気が抜けてさらによく混ざります。

ヤニが固まってきて棒が動かなくなってきたら、
油を少しづつ入れます。
また棒が動くようになるので、完全に混ざるようにグルグルして下さい。

混ざったら、もう一度火にかけてドロドロにしたら完了です。





今回、半分は以前からあるヤニと混ぜ、半分はボールに空けました。
分量がもっと多い時は、お玉でしゃくって、水の中に入れると
球みたいなヤニの塊ができるようです。

んで、一晩寝かせると・・・


 

こんな感じです。
(松煙の在庫が途中で切れて完全には黒くならなかった・・・笑)

で、これを使ったフライパンの上にひっくり返して
裏からゴンゴンゴン!っと、




カパッ



大きい塊のと、細かいのと、粉々のヤニが完成です。

これでヤニ台1.5~2個分の量ですかね?

使い心地は、ほぼ感性なので(笑

お試し下さいっす。



以上!ヤニ作り!でしたが、

夏場や冬場の温度差でヤニのコンディションが変わります。
昔から彫金界では夏用のヤニ、冬用のヤニと作ったりしたそうです。
微調整は油の量で、具合が悪ければ焼セッコウの量で調整してみて下さい。

拍手[7回]

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コメント

1. 生きてますよ

お久しぶりです
早速 ヤニの調合 メモしました
やっぱり時々 時間を作って 拝見しなくちゃ
なんだかパワーをもらえました
道具 案外悩みの種です 増えますよね  使い勝手でつい改造したり作ったり・・・それで つい また使うかもってとっておくから・・・

2. 無題

お久しぶりです^^
最近はたまにしか更新してないですけど^^;
参考や刺激になれば幸いです!

道具は増えますねぇ~
一回しか使ってないモノとかも結構あったりです(笑)
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